文書内の数字は半角/全角どちらがいいの?

文書内の数字は半角/全角どちらがいいの?

普段のWord研修の中ではご説明していますが
先日、Excel研修の中でご質問をいただきました。
みなさんの悩みどころの一つのようですので、テーマとして取り上げます。

統一していればよし

研修の中では
どちらでもいいです。
ただ、文書内で混在しないようにしてください。
そして自動更新の日付を入れた場合には、
その時点で文書内の数字が半角になることが決まります」
とお伝えしています。

自動更新の日付というのは、
前以て作っておく文書で、印刷時に発信日の日付を直さなくても
開くたびに本日の日付に更新される日付のことです。
(議事録などの記録を残す文書で使ってしまうと
いつの記録かわからなくなるので、注意してください)

これは自動的に入力される命令が入っているので、半角でしか入りません。
ということは、文書内を統一しようとすると、
この時点で全角数字を使えないということになるわけです。

自動更新の日付挿入方法

[挿入]タブ→[テキスト]グループ→[日付と時刻]をクリックします。


[日付と時刻]の画面で表示形式を選び、[自動的に更新する]にチェックを入れて[OK]をクリックします。(チェックを入れた時点で全角文字の選択肢がなくなります)


結果、日付が挿入され、文書を開くたびに日付が更新されます。カーソルを置くと、既定の設定ではグレーの網掛け表示になり、入力した文字ではなく命令が入っていることがわかります。

混在ルールについて

ワープロの時代では、
一文字の幅が決まっていたことからばらつき防止のために
「一桁の数字は全角、二けた以上は半角」との決まりがありました。
しかし、字幅を調整してくれるフォント、プロポーショナルフォント
(MS P 明朝など「P」が付くフォント)が現れてから
この規則は不要になったはずです。

それでも、行政や会計の文書ではまだ根強く残っているようです。
コンピュータで処理する時代、
同じ数字が全角と半角で別物となっているのは不都合だと考えますし
見た目も不自然な気がしますので、
私は統一派で、半角派です。

その他

チラシやポスター、プレゼン資料となると
印象や目を引くことが大事ですので、
どちらかにこだわらず、時々の判断でいいのかなと思います。

半角/全角問題ではありませんが、
数字と単位の間については、スペースを取るというルールが
日本適合性認定協会で定められています。

一般の文書では読みやすさ優先でいいかと思いますが、
論文などではきちんと守られるようです。
理系の方は学生時代に叩き込まれたお作法なのでしょうか。

私は恥ずかしながら少し前に知りました。
むしろ、余計なスペースは不要と考えていました。
文書作成の決まり事一つを取り上げても、奥が深いですね。

混在した文書を、半角/全角統一させる方法

では最後に、混在している文書を整えるための、全角数字を半角数字に置き換える方法をご紹介いたします。

■文字種の変換

文書全体を選択(CtrlA)しておいて
[ホーム]タブ→[フォント]グループ→[文字種の変換]をクリックし、今回は[全角]を選びます。
(ほかにも大文字/小文字の変換等もあります)

■文書の中から数字だけを選択する

上記の方法ではアルファベットも変換の対象になってしまいますので、
数字だけを選択する方法をご紹介いたします。

どこかにカーソルを置いた状態で、
[ホーム]タブ→[編集]グループ→[検索]ボタン右の▼をクリックして[高度な検索]をクリックします。
(検索ボタン自体をクリックすると、左側にナビゲーションウィンドウが出るだけですのでご注意ください)
度々使うなら、[置換]ボタンをクリックするかCtrlHで置換画面から[検索]タブに切り替えるほうがらくかもしれません。


1.[検索と置換]画面で、[オプション]をクリックして画面を広げる
2.[ワイルドカードを使用する]にチェックを入れる
3.[検索する文字列]に「[0-9]」と入力する
  [〇-△]は、「〇から△まで」という意味です。
  今回は「0」と「9」は全角です。
  (ちなみにアルファベットなら「[A-Z]」、
  ひらがななら「[あ-ん]」と指定します)
4.[検索する場所]▼から[メイン文書]を指定する
5.対象文字列が選択されるので、[×](閉じる)をクリックする

こうして対象文字が選択された状態で、[文字種の変換]をしてください。


業界ごとに残るルールはそれなりの理由があるはずですので
尊重し、その歴史をのぞいてみるのも面白いのではないでしょうか。

そうでない一般的なものについては、自分なりのルールを決めて、
毎回迷わなくてもすむように
すると、軽快に進めていけそうですね。


講師プロフィール

中田 静
中田 静凛学舎 代表
「ずっと使い続ける力」を育むメソッドで、これまでの受講者数は 5000 名を超える。MOS 試験対策では延べ 1000 名の受講者を輩出。合格率 98%。音楽指導の後、MOT(Microsoft Official Trainer)として講師歴18年。

無駄な手数を減らした業務改善を提案していて、特にマナーを意識した書類作成講座に定評がある。時間をかけて作った書類がうまく活用できないとお悩みの企業様に対して、DX 時代に通用する データを資産に変えるための書類作成の技術を伝えている。

育児と仕事の両立のみならず、たとえ中断しても、その経験をもとに方向転換していけること。親の介護や想定外のことがあっても常に仕事や仲間に支えられた経験から、それぞれの地点からの一歩を踏み出す方の、お役に立てればこの上ない幸せである。